授業スタイルによる個別指導塾の分類
学習塾にはさまざまな形式が存在します。このページでは、個別指導の学習塾を解説しています。
個別指導塾とは、講師1人対生徒1人あるいは1対複数で、個々の生徒の学習進度や習熟度に合わせて授業をする学習塾です。 個別指導は一斉指導とは異なり、授業のレベルや進度を、受講するすべての生徒に合わせるため、とても合理的な授業形態となっています。
個別指導の塾をさらに細分化すると、その授業スタイルから、1.巡回型 2.固定型 に分類されます。
1.巡回型の個別指導塾
講師が生徒の机間を巡回する個別指導のスタイルです。多くの場合、講師1人対生徒3~5人で授業が行われます。 もっとも普及している個別指導スタイルで、生徒の机と机の間にパーティション(仕切り板)がある場合と無い場合があります。
生徒が問題を解いている中、講師が生徒の正誤をチェックしたり、質問を受けたりすることで授業が進んでいきます。 このスタイルの個別指導塾では、勉強の苦手な中学生が中心となっています。中学受験をしない高学年の小学生や高校生も若干受講しています。
長所:説明をしてもらうより、とにかく問題を数多く解きたい、友人と一緒に気楽に受講したい、 といった方はこちらのスタイルが向いています。
短所:このタイプの個別指導塾は、講師が目を離す時間が多いため、おしゃべりをする生徒がでてきます。おとなしい生徒は質問がなかなかできないこともあります。
2.固定型の個別指導塾
講師が生徒のそばに座って、移動せずに指導するスタイルです。講師1人対生徒1人か講師1対生徒2人がほとんどです。
○ 講師1人対生徒1人
いわゆる完全一対一で、大学受験や中学受験の個別指導塾で多くみられます。細かな生徒の要求を満たすことができ、 特に受験校の過去問題対策に絶大な効果を発揮します。事前に用意した多くの質問がある場合、この完全一対一が適しています。
また、他の人との同時受講ができない生徒も完全一対一の塾にいます。学力的にしんどい層と性格的に難しい層です。 他の人の目がない分、生き生きと受講でき、苦手な科目が好きになる場合も多々見受けられます。
短所:完全一対一の個別指導塾は、長所ばかりではありません。短所として受講料金が高くなってしまうことが挙げられます。 結果として、授業時間を多く確保できない、ということにつながります。
○ 講師1人対生徒2人
片方の生徒が問題を解いている間に、もう一方の生徒が解説を受ける個別指導スタイルです。巡回型の個別指導と完全一対一の中間 にある個別指導の形です。自分で考える時間が確保されており、集中して真摯に取り組む生徒ならば、完全一対一をしのぐ学力UPが見込めます。 大学受験や中学高校受験などのほか、通常の学校対応の生徒もこのタイプの個別指導塾にいます。
短所:事前に用意した質問だけをしたい、といった生徒には向きません。1対2という授業スタイル上、質問対応と問題演習を交互に行うので、講師を独占することはできません。
中学・高校・大学受験別の個別指導塾の分類
個別指導で特に効果を発揮するのは、現状を改善する意欲のある生徒です。勉強はしている、あるいは勉強する気はあるが、「どこから手をつけていいかわからない 」、「あまり効率よく学習ができていない」といった場合です。このような生徒で、特に受験を控えた生徒を、小中高別に分類してみました。
中学受験をする小学生
小学生の場合、主に大手受験塾の補習として個別指導塾を利用しています。多くの生徒が受験算数を受講しており、個々に進度とレベルが合う個別指導のスタイルは、まさに受験算数向けであるといえます。
毎週未消化部分をしっかりと消化していくことで、受験生となった時、しっかりとした基礎力が備わっています。利用開始時期は、受験学年ではない早い段階からのほうが大きな効果を見込めます。
高校受験をする中学生
個別指導塾においては、学校の部活を引退する中3夏休み~2学期からの参加が多くなっています。 一斉指導や少人数制の塾では、中1あるいは中2といった早い段階から受講していますが、過去から復習するということが可能な個別指導塾では、 やはり駆け込み需要が多いようです。
大学受験をする高校生
国公立大学を目指す場合、センター試験科目に数学はほぼ必須です。このため国公立大学人気が高まっている昨今、早い段階から学習塾で数学を受講する生徒が増えました。
個別指導塾でも、数学は高校1・2年生から、中高一貫校ならば高校内容に入った時点(中3)から次々と受講を開始しています。非受験生のうちは学校に準拠した授業形態が人気です。
逆に英語は高2後半から高3を中心として、入試対策として個別指導塾を利用する傾向があります。学校準拠の英語の個別指導は、中高一貫校で特に需要があります。